英国王って誰だ

11月24日の新聞のテレビ欄ウンタウンDXの紹介(時間枠のなかに書かれるもの)で、舛添要一氏が、英国王の前で失態という語句が見えた。おそらくそれが本日のハイライト、あるいは舛添氏のトークのハイライトなのだろう。でも英国王って誰。

いま英国はエリザベス女王だが、女王の前は、映画『英国王のスピーチ』でもとりあげられたジョージ六世である。しかし舛添氏の年齢からして、英国王の前で失態を演ずることがあったのだろうか。

ジョージ六世がなくなったのは1952年で、その頃、舛添氏は3歳か4歳だろうから、直前に会ったのだろうか。赤ん坊の頃の舛添氏が英国王の前でおしっこでもしたのだろうか、そういうことなら、それで面白い話だと思った。

しかし、そんなことはないだろう。ひょっとして「英国王室の関係者の前で……」というところ、アクシデントで「英国王」で切れたか、省略されてしまったのか、不思議に思って、録画予約して確認した。

番組を見たら、昭和天皇の葬儀の際、イギリス大使館に招かれた舛添氏が、エリザベス女王の夫エディバラ公フィリップ殿下に、それとは知らずに話しかけ、世間話に興じてしまったとのこと。番組中に「フィリップ殿下」「エリザベス女王のご主人」という言葉が発せられ、字幕なりがあったが、「英国王」という言葉は、ついぞ舛添氏本人からも、誰からも聞かれなった。

当たり前である。今、英国王は存在しないのだから。エリザベス女王が英国の君主で、その夫君は英国王ではない。

新聞のテレビ番組欄の紹介文は、新聞社ではなく、テレビ局の担当者が書くのだろう。担当者は、その番組を実際にみたか、内容を確認して紹介文を書いた。少ないスペースに簡潔でインパクトのあるフレーズを求めて、たどりついたのが「英国王」。英国のエリザベス女王の夫君だから「英国王」。なんというアホかこの担当者は。女王の夫は国王ではない。国王の妻が女王でないのと同じように。またもしそうなら日本の天皇の妻、美智子妃は、女天皇となってしまい、すでに女帝が実現していることになる。英国はいまは女王が君臨すれども統治せず。女王の夫君は、国王ではない。こんなこともわからない担当者がいると思うと、唖然とする。読売・日テレ・グループは、ネベツネの独裁が続いているから、こんなバカな担当者が出てくるのだ。

しかし、バカは担当者だけではない。周囲も、テレビ局側も、新聞社の側も、「英国王」というのはおかしいのではないかと、指摘しないこともおかしい。そのテレビ欄担当の日テレ関係者は、ナベツネにかわいがられているか、連なるもので、誰も、文句を言えないかったのかもしれない。ナベツネと関係あるなしにかかわらず、その担当者は死刑に値する(ちなみに私は死刑は絶対廃止論者だが)。